罪と罰
『バチが当たった』
入院していた時、癌の患者さんがよく言った言葉
私もそう思った
でも、違う。
入院して、放射線科に毎日通っていた
そこでよく会った女の子
点滴をして、帽子を被ってる
あんなに小さいのに…
側にいるお母さんは疲れからか笑顔がない
その子はいつも笑顔いっぱいだった
学校に行きたいはず、痛い思いや辛い思いを沢山しているはずなのに笑顔でお母さんに話しかけている
あんな幼い子に何の罪があるというのか
大学病院なので、たくさんの患者さんがいた
身体が不自由な人を見て
バチが当たったからなんて思うはずない
私は、癌になった理由をバチが当たったと思いたかったのかも
理由なんてわからない
なる人もいれば、ならない人もいるのに
罪のない人なんていないと…
罪人に皆んなが石を投げつけて
キリストが罪のない人だけ、その人に石を投げなさいと
誰も投げなくなった
毎日小さな罪を犯しているのか
それはわからない
ただ、癌のことをバチが当たったって言うのはやめた